文書・書籍について
2年前まではある白書の執筆をしていたこともあり、また2年前からは大学院での講義をしていることもあり、ある分野の書籍に関しては、それなりの書籍を所蔵しています。しかし、ある程度古い文献になると、大学の図書館に頼らないといけないですし、大学でも残っていないこともしばしばです。
今朝の朝日新聞で、1997年に破綻した山一證券の残した膨大な社内資料が、東京大学経済学部の図書館に残っており、その整理・分析作業が続けられていることを知りました。その量は約700箱だとか。分類だけでも大変な作業ですが、実に貴重な資料が散逸せずに残されたことは、研究者の端くれとしても非常にうれしいことです。 そういえば、以前ある役所に勤めていたときに、そこの図書館に非常に古い文献が残されていて、ビックリしながら興味深く読んだのを思い出しました。また、多くの論文にリファレンスされているにもかかわらず、めぐり合えていなかったその原著を見つけたときは、大喜びでした。 役所に勤めていると、国立国会図書館に収蔵されている書籍や雑誌を、館外に貸し出ししてもらえました。これも、とても嬉しかったです。役所に来てよかったと思ったものです。もちろん、その扱いには、非常に緊張しましたが。 国会図書館などは特別な存在ですが、多くの普通の図書館では、その収蔵能力には限界がありますから、古い本は定期的に廃棄または放出されます。僕も、近所の図書館でそういう本をもらってくることがあります。それはそれで嬉しいのですが、知の集積がなくなるようで、寂しいというか、それでいいのかという気もしています。特に僕の研究分野などは、マイナーな分野なので、1冊の書籍が3000~5000部刷られるのみ。今でこそ、自分で可能な限り買うようにしていますが、古いものは神田あたりの古本屋でもなかなか探し出せません。今は、大学の図書館が使えるからいいのですが、それができなくなると... 貴重な本は、PDFでもいいから残してもらいたいなぁ。PDFという形式も、30年後に使われているかどうかわかりませんが、5年くらいは何とかなるでしょう。その間に、せっせとプリントアウトして、紙で保存しなくては。って、思いっきりアナログですが、そうでもしないと確実に残せないものが多いような気がしています。
by makani_tomo
| 2008-01-09 14:26
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