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TJAR報告会(没原稿)

報告会で何をお話ししようかと考えている過程で書いたものです。結果的には没原稿になりましたが、TJARに参加する上でのエッセンスは詰め込んだつもりです。

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TJARを楽しんで完走するための10の心得

〔安全〕
 安全は、全てに優先します。安全に行動するためには、危険箇所での夜間行動は極力避ける。天候の変化(特に雷)に注意する。体力を使い切らない。

〔計画・準備〕
 1日ごとの行動計画を立てる。いつ頃小屋を通過できるかの検討をつける。それをもとに、食糧計画も立てる。持参品の計画を立てる。

〔慌てない・焦らない〕
 人の行動に惑わされず、自分の行動計画に従い、マイペースを心掛ける。しかし、行動計画から遅れても慌てない。時間はある。とにかく、その日の目的地にたどり着くことを考える。

〔臨機応変〕
 とはいえ、臨機応変さも必要。夜間行動をしなければならない時、地蔵尾根の様に踏み跡の薄いコースを進む時、ちょっと予定を早める/遅らせることで、集団で行動できるなら、それは安全面からも有効である。

〔食事〕
 原則は食べることのできる時に食べる、なのですが、普段から少食の人が急にたくさん食べると、胃腸の調子が悪くなることもある。かといって、食べなくては体力が維持できない。補助的な高エネルギー食を、少量ずつマメに取るのが有効だと思う。

〔試走・下見〕
 試走は、可能な限りやっておいた方が良い。知っている道と知らない道では、精神面での負担が大きく異なる。僕はやらなかったが、時間に余裕があれば、ロード区間も見ておくと良い。特に、自販機やコンビニ、お店のチェックは重要。

〔睡眠〕
 1日の疲労を取るためには、睡眠は重要。短い時間で如何に深く眠るかがポイント。暖かい昼間に20分位昼寝するのは、とても有効だと思う。

〔軽量化〕
 重い装備は、それだけ身体に負担になる。軽量化は重要なポイント。しかし、軽量化を突き詰めると快適さをドンドンそぎ落とすことになるので、バランスが重要。試行を繰り返し、自分にとって何が必要で、何を我慢できるのかを見極めること。僕の場合、(小屋以外での)暖かい食事をあきらめ、ガスは持っていかなかった。一方で、どこでも数分でシッカリした休める空間を確保するために、少々重いシェルターを持っていった。

〔楽しむこと〕
 山旅を楽しむ余裕を持つこと。景色の良いところでは、写真を撮って気分転換するくらいの余裕が必要。一杯一杯まで追い込んでしまっては、むしろ危険である。

〔旅は道連れ 世は情け〕
 今回は、本戦に出る選手が、メールや実際に集まって事前に情報交換できた。過去に出場した選手の情報や、それぞれの試走時の情報などを持ち寄ることで、非常に重要な情報を多くの選手が共有できた。そのことは、軽量化や安全な行動にもつながる。
 一応レースですから、過度な干渉はしませんが、選手・スタッフ・関係者含めた緩やかな連帯感を感じることが出来た今回の大会は、非常の心地よく楽しいものであった。

※あくまでも、8日間を目一杯使って、楽しんで完走するための心得です。新記録を狙うとか、6日以内など時間にこだわる場合、当てはまらない事項もあります。
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by makani_tomo | 2008-10-19 20:15 | TJAR

TJAR報告会の要旨

昨日はTJARの報告会が行われました。限られた時間の中で、多くの選手が報告しますので、なかなか言いたいことを十分にお伝えすることはできませんでした。僕の場合、かなりの情報をこのブログに載せていますので、詳細はブログをご覧下さいというところなのですが、選手であっても他の選手のことで知らないことは多いのです。そういう意味で、あらたな発見もあり、いい報告会だったと思います。もっとも、ゴールから2カ月経っていますので、少々臨場感に掛けるところはあったかもしれません。1ヶ月後くらいに行えるといいかもしれませんね。

以下に、僕の用意した原稿を掲載しておきます。この内容をかいつまんでお話ししました。

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TJARの魅力
~緩やかな連帯感がもたらす極上の山旅~


選考会
 今回の場合、選考タイムをクリアすれば出場できるということで、他の参加者と順位を競う必要は基本的にはない。選考会Aのコースには、非常にわかり難い部分もあり、何名かでルートを探しながら進んだ場面もあったと聞いている。
 選考会の後、風呂に入り、雑談する。股ズレし難い下着は何か?インソールは効果あるか?行動食には何を使う?などなど。これが楽しいし、貴重な情報交換の場ともなる。

メール・情報交換会
 本戦に出ることになった選手間では、メールで情報交換が行われていた。飯島さんや田中正人さんなど、過去に出場経験のある選手からの情報は貴重だった。また、直前には主に東京に住んでいる選手が集まり、情報交換会を開いた。主な内容は、装備や試走情報。特に、ロード上の自販機や売店の情報はとても役に立った。

スタート
 ミラージュランドに行くと、選手が集まっている。初めてお会いする人もいるのだが、大概は既に「知り合い」だ。共に同じゴールを目指す仲間という意識を感じる。(僕だけじゃないよね?)この仲間達とスタートラインに並べたことが、とても嬉しい。

コース上
 それぞれペースは異なるので、特に前半は単独で進むことが多い。それでも時々仲間に追いついたり、追い越されたり。僕の場合、前半は星野選手と共に進むことも多かった。自分よりも各上の選手の行動の仕方は、参考にもなる。実は、選考会Bでも途中まで一緒に走っており、ペースの維持の仕方など大いに勉強になった。そして、彼女と行動すると引っ張ってもらえるため、タイムが良くなるので、密かに「緑マジック」と読んでいた。後半は鈴木選手と一緒になることが多かった。終盤では西岡選手と一緒にゴールを目指した。ダラダラ長い夜の峠道を進む時、疲労困憊した身体で暑いロードを進む時、話す相手がいるのは助かるし、集中力も持続する。

山小屋
 コース上では前後している選手たちも、小屋では一緒になることが多い。話をしながら食べる食事は美味しい。完走を目標にしている選手の行動計画は似てくる。ビバーク地も自ずと同じになる。ここでもまた、選手たちが集まる。後半になるに従い、翌朝のスタート時間を合わせることも多くなった。

ブログ
 今回はブログで他の選手の動向がわかった。先行している選手のスピードに驚嘆し、遅れている選手が関門を通過したことを知り安心した。宮下さんがリタイアしたとわかった時は、心配したし、残念でならなかった。

ゴール
 途中、先にゴールした間瀬さんに頑張って!と声を掛けていただく。飴本さんにも激励を受ける。須田さんは、マウンテンバイクで様子を見に来てくれた。そして、ゴールでは、仲間達やスタッフなどが笑顔で迎えてくれる。最高にシアワセで、充実感にあふれた時。

緩やかな連帯感
 今回20名がスタートし、15名が完走した。この完走率の高さは、ひとつにはお天気が比較的安定していたことがある。(雨に降られたのは2回だけ)もうひとつは、制限時間内での完走を目的とした集団ができたことにあると思う。いままでお話したように、事前の準備の段階から既に緩やかな連帯感が生まれていたように思う。そして、コース上で、小屋で、互いに精神的に安心感を与えながら過ごすことが出来た。これが、各選手のモチベーションの維持、集中力の維持に確実にプラスになったと思う。

※先週の日本山岳耐久レースでは、手を繋いで同時にゴールした選手たちに対して、審判から注意があったと聞いた。個人的には、それくらいいいのにねって思いますが。少なくともTJARはそんなガチガチなレースになって欲しくないと思う。
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by makani_tomo | 2008-10-19 20:11 | TJAR

明日はTJAR報告会

明日は、TJARの報告会が行われます。知り合いが何名も来るようで、楽しみです。それに、山耐でも会えなかった仲間達に会えます。楽しみです。

僕はというと、グループ報告と装備の紹介を行います。
グループ報告では、「TJARの魅力~緩やかな連帯感のもたらす極上の山旅~」と題して、今回のTJARを僕なりの視点で振り返ってみたいと思います。報告した内容は、後日このブログにも掲載します。

そのほか、各選手がそれぞれの視点から、TJARを振り返ります。新記録を狙っている人は、田中正人さんや紺野さんの報告が必聴でしょう。
星野さんからは、女性ならではの視点で見たTJARの話が聞けるのではないでしょうか。
(※他の選手の話す内容は、現時点では想像と予想です。外れていたら、ごめんなさい。)

装備の紹介では、実際に使った装備やウェア一式を持ち込みます。参加者が多いので、前回大会の報告会の時のように、実際に手にとっていただくことはできないと思いますが、ビデオカメラで撮影して会場スクリーンに映す予定ですので、じっくり観ていただけるかと思います。
駒井さんの装備は注目です。本当にあれだけで???って思いますよ。みんな、それぞれ工夫をしているので、参考にしてみてください。

報告書は60ページ近い大部なもの。20人分の情報が詰まっています。前回の報告会でもらった報告書は、とても参考になりました。

いずれにしても、TJARに魅力を感じている人にとっては、インスパイアされること間違いなしです。2年前の僕のように、会場から出る時には、2年後の出場を決意する人も少なくないのではないでしょうか。
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by makani_tomo | 2008-10-17 17:35 | TJAR

TJAR2008(トレーニング編)

TJARに参加し、完走するためには、どの様なトレーニングが必要なのでしょうか。トレーニングの種類や負荷のレベル、頻度などは、その人の体力や過去の運動履歴、使える時間などによっても変わってくるので、一概には言えません。各人が、自分に合ったトレーニングのメニューや回数を考える必要があるのだと思います。しかし、ごく普通か普通より少し上くらいの体力レベルの41歳の男性が、どの様なトレーニングを行い、TJARを目指したかを読んでいただくと、その中に少しは参考になることがあるかもしれません。

<2004年以前>
まずは、運動に関して、僕がどの様な経歴なのかを知っていただくと、僕の運動能力レベル、体力レベルがわかってもらえると思います。

・小中学校は、サッカー。(当時の大阪では珍しい。)
・高校は、オーケストラ。(つまり、運動せず。)
・大学では、弓道。(つまり、ほとんど運動せず。)
・社会人になってからは、一時期ゴルフにはまる。(下手なので、芝生の上を走るトレーニングにはなったか?)

<2005年>
・12月のホノルルマラソンを目指して、夏ごろからぼちぼち走り始める。
・11月の光が丘ロードレースが初レース。20kmを1時間37分39秒。膝を痛める。
・初フルのホノルルマラソンは、ボロボロになりながら4時間33分28秒。
・大晦日に、高尾山で初トレイル。

<2006年のトレーニング>
膝が痛くて走れないので、会社の非常階段(1,224段,約226m)を歩いて昇るトレーニングを開始しました。6月くらいまでは、ほとんど走っていません。非常階段を1日4~5本歩いて昇るのみでした。

4月の青梅高水山トレイルランで、トレイルレース初参戦です。3時間6分3秒というタイムで、階段トレーニングは効果ありと実感しました。

6月下旬に第1回の「おんたけスカイレース」に参加し、基礎的な走力の足りなさを実感し、トレッドミルでの高傾斜走を開始しました。7月以降の平均的なトレーニングは、以下の通り。

・高傾斜走(10%×8km/hで4km+10%×10km/hで1km)
・階段昇り(3~4本)
・週末は、10~15kmのLSD


8月には奥武蔵ウルトラマラソンに参加し、7時間51分21秒で完走しました。1歩も歩かずに完走できたことで、高傾斜走の効果を実感しました。

山耐に向けても、日常のメニューはほぼ同じでした。ただ、週末に試走などに山に行く機会が増えました。10月の日本山岳耐久レースは、直前に痛めた膝をかばいながらも13時間12分3秒で完走。

秋以降、膝が痛くてなかなか走ることが出来なかったのですが、非常階段のトレーニングは続けました。また、奥武蔵の山を歩いてリハビリを行っていました。なんとか走れるようになった後、11月のつくばマラソンでは、3時間24分7秒。これが今でもフルマラソンの自己ベストです。

<2007年夏までのトレーニング>
1月から高傾斜走の負荷を上げました。基本的なメニューは以下の通りです。

・高傾斜走(15%×8km/hで2km+10%×10km/hで3km)
・階段昇り(3~4本)
・週末は、20km前後のペース走かたまに奥武蔵でのトレイルラン


長距離・長時間に身体を慣らすため、2月の青梅マラソンでは、往復共に走り、計90kmのトレーニングを行いました。5月のTTR100では、25時間42分8秒のタイムで総合6位でした。しかし、高橋香さんがお亡くなりになるなど、喜びも半分の結果でした。

TTR100で、また膝を痛めたので、箱根トレイルやサロマはDNS。ひたすら非常階段でのトレーニングです。まともに走り始めたのは6月中旬でした。

<夏のアルプス詣で>
7月下旬にはTJARの選考会Aに参加しました。序盤のトラブルで、踏み跡不鮮明なトレイルにひとりで入ることになり、度々コースを見失い、無駄な体力を消耗し、集中力を失い、そして気持ちが切れてしまい宝剣山荘の関門に引っかかり、タイムオーバーでリタイアという苦い経験をしました。アルプスは2度目だったのですが、自分がいかに山に慣れていないかを思い知らされる結果となりました。このままでは1年後のTJARに出場することはできないと思い、可能な限りアルプスに通う計画を立てました。

8月上旬に予定されていた選考会Bが順延となったため、ひとりでコースをたどりました。夜間、雨、ガスという悪条件の中、地図とコンパスを頼りにひとりで進むという経験は、非常に良い経験になりました。

8月中旬には、中央アルプスで選考会Aの復習を、8月下旬には北アルプスで西鎌尾根を中心に復習を行いました。

9月中旬には、南アルプスの試走を行いました。市野瀬~畑薙という本戦と同じルートを、本戦に近い装備でたどりました。この時に、ザックやシェルター、ウェアや食糧計画など様々な試みを行いました。これは、非常に良い経験になったと思います。

<2007年秋以降のトレーニング>
秋以降は、少し走行距離も意識して伸ばしています。以下、平均的なメニューです。

・高傾斜走(15%×8km/hで2km+10%×10km/hで3km)
・低傾斜走(3%×12km/hで3~5km)
・階段昇り(3~4本)
・金曜日の夜は帰宅ラン(20~30km)
・週末は、20km前後のペース走


11月にはビバークできる装備を背負い、自宅から青梅まで約30km走り、鴨沢まで向かう途中、大ダワ近辺で雨の中ビバークするというビバークトレーニングを行いました。標高2000mに満たないとはいえ、11月の雨中でのビバークは、寒くて寒くて辛いものでした。寒い中じっとしていることで筋肉が硬直するデメリットを考えると、ゆっくりでも動き続けた方がいいかもしれないという気もしました。

<2008年のトレーニング>
基本的なメニューは、あまり変わっていません。高傾斜走と非常階段がメインです。

・高傾斜走(15%×8km/hで2km+10%×10km/hで3km)
・低傾斜走(3%×10~12km/hで5km)
・階段昇り(3~4本)
・2月末まで金曜日の夜は帰宅ラン(20~30km)
・週末は、20km前後のペース走


3月には、夜間を含めて長時間走り続けることを目標に、24時間走に参加しました。150km走ろうと決めていたので、22時間11分で終了としました。

5月には、「みんなでTTR100」です。やはり、超距離・長時間のトレイル練習という位置付けでした。雨と雪には参りましたが、25時間51分で完走。

6月は、TJARのロード区間を想定して、野辺山ウルトラマラソンに参加です。アップダウンもちょうど良い練習になるだろうと思い、約6kgのザックを背負い、トレイルのシューズを履いての参戦。11時間26分23秒で無事完走することができました。結果的に、TJAR本戦でロードを走ることは、ほとんど無かったのですけどね!(次回出場したら、少しは走りたいものです。)

この様に、特に2008年に入ってからは、全ての練習やレースをTJARに焦点をあてたものにしました。

<低酸素室でのトレーニング>
実は、2007年の夏から新しいトレーニングを取り入れていました。このブログでも、「秘密のトレーニング」として時々書いていました。実際にお会いした方にはお話していましたし、想像されていた方も多いのですが、「秘密のトレーニング」とは低酸素室でのトレーニングのことです。(このトレーニングを紹介してくれた関根先生の奥様であるトライアスロンの関根明子選手が、ご自身のブログで「秘密のトレーニング」と書いていたこともあり、僕もあえて秘していました。関根選手も今シーズン限りで引退を表明されたので、もう解禁でしょう。)

低酸素室とは、文字通り酸素濃度を低く調整した部屋です。酸素が薄い状態、つまり標高が高い状態でトレーニングを行うことにより、血中のヘモグロビン量が増え、酸素を効率よく取り込むことができるようになります。また、低酸素状態での呼吸方法などを習得できます。具体的なトレーニングメニューとしては、標高3500m前後の酸素濃度状態でのトレッドミルによる高傾斜走のインターバルです。

この低酸素トレーニングを07年夏ごろから、月に2~3回程度行っていました。そのためか、試走、選考会、本戦を通して、いわゆる高山病の症状には全く悩まされませんでした。冬の間は、時間が取れずお休みしていたのですが、08年春からは再び低酸素室でのトレーニングを開始しました。

7月はより本番に近いトレーニングとして、重りを入れたザックを背負い、15%の傾斜でひたすら歩き続け、その間徐々に酸素濃度を薄くしていくというメニューを取り入れました。40~60分間続けるのですが、これは、効果があったと思います。

この低酸素トレーニング、安くはないのですが、短い時間で効率的にトレーニングすることは出来ると思います。また、標高3500m前後の酸素濃度に慣れることは、TJAR完走という目的に役に立ったと思っています。もっとも、富士登山競走の様に、短時間に高度を上げる場合には、より効果が期待できると思います。

<階段トレーニングのバリエーション>
春以降は、非常階段でのトレーニングのバリエーションも増やしました。ひとつは、毎日1本は下りも行うようにしたこと。もうひとつは、総重量9kg程のザックを背負うことです。

非常階段という性格上、途中階で人が階段室に急に入ってくる可能性があるので、走って下ることは今まで行っていませんでした。(以前、ぶつかりそうになり、危なかったことがあったのです。)しかし、下りの筋肉を鍛えるためにも、やはり取り入れたほうがいいだろうと思い、夜遅い時間を中心に、下りのトレーニングも行うようにしました。

また、9kgのザックを背負ってのトレーニングは、より本番に近い状況を想定してのことです。もちろん、使うザックも本番で使ったものと同じです。2Lの水のペットボトルを4本詰めて、昇り下り共に行いました。このトレーニングも効果があったと思います。

<今後のトレーニング>
走ることを始めてから、膝を痛めては治し、また痛めては治しの繰り返しでした。そういう状態にあって、継続して続けてきたトレーニングは、非常階段でのトレーニングです。僕の、現在の脚力を作ったのは、非常階段だと思っています。また、走ることが出来る時には、高傾斜走を積極的に行いました。まだまだ、走力が高いとは言えないのですが、TJARに参加する最低レベルの走力までは高めることが出来たようです。この2つが、今後もトレーニングの中心になると思っています。これならば、平日に行うことができるからです。

加えて、可能な限り山でのトレーニングも増やしたいものです。限られた週末の時間をどの様に使うか、容易なことではないのですが、やはり山で強くなるには、山に足を運ぶのが王道だと思います。特に下りでのスピードアップは、なかなか山でないと鍛えることが出来ないのではないかと思っています。

低酸素室でのトレーニングも、定期的に続けていきたいと思っています。低酸素状態でのトレーニングという要素に加えて、ここ1年以上自分の体力レベルを、客観的に見続けてくれているトレーナーの存在は非常に意味があると思っています。

少しは参考になりましたでしょうか。1224段の階段は、なかなかありませんが、10階建てのビルでも昇り下りを繰り返すと、同じ効果は得られると思います。このトレーニングは、特にTJAR向けではなく、トレイルランニング、ひいてはランニング全般に効果があると思っています。しかし、僕の場合スピード練習はほとんどしていませんので、山耐で10時間以内を目指すとか、フルマラソンでサブ3を目指すというのであれば、また違うメニューが必要になると思います。あくまでも、それなりの速度で長く登り続ける、長く動き続けるということに主眼をおいたトレーニングであるとご理解ください。

<選考基準引き上げ?>
しかし、次回のTJARの参加希望者はずいぶん増えるのではないかと予想されます。想像でしかないのですが、選考基準が引き上げられる可能性もあります。例えば、今年の選考会Aの選考基準は13時間13分となっています。次回は12時間程度に引き上げられるかもしれません。(あくまでも、可能性です。)その場合、ある程度のスピードも要求されることになります。今回、僕でも11時間半を切っていますから、もしかすると11時間まで引き上げられる可能性もあります。個人的には、TJARがスピードレース化して欲しくはないと思っていますが、「選考」により人数を絞るためには、基準の引き上げも仕方ないのかもしれません。ですから、2年後に向けては、基礎的な走力をさらに高め、選考会Aで11時間以内。選考会Bでも20時間以内で完走できる実力をつけないと、参加自体が難しいかもしれません。

<山での活動ということ>
スピードもある程度必要なのですが、標高の高い山岳エリアでの活動技術もそれ以上に必要と思われます。僕自身、十分な経験が備わっているとはいえないと思っています。大雨の西鎌尾根、夜間ガスに巻かれるなど、雷以外の経験は大概しているつもりですが、今後どの様な状況に遭遇するかはわかりません。

基本的には、様々な状況を想定した最低限の装備を持ちつつ、山により多く入り、様々な経験を繰り返すしかないのだと思っています。今回も、山の経験が長い人の所作は無駄が無いな...などと感心したものです。アルプスに夏装備で入ることの出来る期間は長くありません。次回の参加を考えておられる方で、アルプスでの登山の経験が少ない方は、来年は夏を中心に、時間の許す限り通われることをオススメします。同時に、装備や食糧などの試行錯誤を行うと良いと思います。結局山に入ることが、もっとも良いトレーニングということでしょうか。
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by makani_tomo | 2008-09-03 14:39 | TJAR

TJAR2008(費用編)

はたして、今回のTJAR2008に参加するにあたり、どのくらいの費用がかかったでしょうか。こまごまとしたものは省略して、購入記録が残っているものを中心に、おおまかに総費用を計算してみると...

総費用:292,000円!

いや、ビックリですね。こんなにかかっているとは。もっとも、ウェアも装備も何もないところからの計算ですから、実際にはこれほどかかっている実感はありません。以下、内訳です。

ウェア:83,200円
装備:126,500円
食費:32,400円
食糧:7,200円
医薬品:5,700円
交通費・宿泊費:28,500円
保険その他:8,500円

ウェアの金額は、かなり正確です。ほぼすべて、記録を取ってありました。ただ、これらの多くは普段から着ているものです。今回のために買ったものは、パワーソックス(@5,250円×2)やソックス(@2,494円×2)くらいです。

最も多くかかっているのが装備です。中でもシェルターは31,290円と高いです。これは、昨年購入したものではありますが、TJARのために買ったものと言えます。カリマーのザック(12,096円)も、ほぼTJAR用と言っていいでしょう。もちろん、今後他の目的にも使いますが。シューズも通常サイズのものは、他の機会にも使いますが、ワンサイズ大きなシューズはTJAR用と言ってもよいでしょう。そう考えると、山の装備をほとんど持たない人がTJARを目指す場合、それなりのお金をかけて装備をそろえる必要があることになります。

食費は、前日からゴール当日までの飲食代です。小屋での飲み物は300~400円しますし、カップラーメンでも400円程度、うどんやカレーになると800~1,200円かかります。山の食事は安くないのです。それに比べると、駒ヶ根のマクドナルドで使ったのは960円ですから、安いですね。荷物を軽くするためには、ある程度小屋食をあてにする必要があります。そうすると、食費はおのずと高くなってしまうのです。ちなみに、ゴール後の飲食代5,000円が含まれていますので、これを除いたとしても27,000円ほどはみておいた方がいいでしょう。

一方食糧は、担いで行ったものです。アルファ米やカロリーメイトなどが中心ですが、担ぐにしても限界がありますので、意外と費用はかかっていません。

交通費宿泊費は、どこに住んでいるかで大きく変わります。北海道から参加する場合には、飛行機代などかなり多額の費用がかかることになります。僕の場合、東京からの往路は高速バス、静岡からの復路は新幹線。魚津と静岡での宿泊費も含まれています。この宿泊費に関しては、節約することも可能です。何といっても、野宿できる装備は持っているのですから。しかし、今回は東京に戻ってすぐに仕事に行く必要もあったので、身体を休めることを優先に考えました。

医薬品などは、もう少しかかっているかもしれません。コンタクトレンズや眼鏡の費用は含まれていません。ただ、そう多くはかからないでしょう。

保険その他には、山岳保険の費用や地図の購入費、デポ品の郵送料などが含まれています。

日頃から登山などをしていて、山に関する装備がある程度揃っている人であれば、交通費や食費などを見込めばいいと思いますが、一般的なトレイルランニングしかしたことがない人にとっては、装備をそろえるというハードルがあります。もっとも、ひとつひとつ調べて探して、そろえていくというのも楽しいものです。そしてそれらを山で使ってみながら、山になじんでいくのでしょう。TJARの魅力は、自分なりに工夫をしながら準備をしていくところにもあるのではないかと思っています。ちょっと贅沢な、大人の旅支度といったところでしょうか。
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by makani_tomo | 2008-08-30 09:13 | TJAR

TJAR2008(体重と体脂肪率の変化)

TJARの直前と直後の体重と体脂肪率を表にまとめてみました。

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直前だからといって、特にたくさん食べることはなく、普段よりも気持ち多いくらいなので、体重、体脂肪率共に比較的安定しています。直前5日間の平均は体重が61.78kg、体脂肪率が11.58%、それらの積である体脂肪量は7.15kg。ベストかどうかは別にして、僕の通常の状態と言っていいでしょう。

昨年は、体重も59~60kg、体脂肪率9~10%でしたから、明らかに体脂肪量が少ないです。この状態で、身体の疲労が抜けず、練習時にハンガーノック状態にも陥ったので、今年は体重で62kg前後、体脂肪率も常に10%以上はキープするように心掛けていました。

レース中は、行動もしていますが、マメに食べて飲んでいます。そして、ゴール後も、割合ガツガツと食べて飲んでいます。帰りの新幹線の中でも、こんなもの飲んだり...

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家でも、とっておきのこんなワイン飲んだり...

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ですから、直後の18日は体重も63.4%と多めです。(ちなみに、わさびらむねは、あまりわさびが利いていなくて、イマイチ!)それよりも、体脂肪率が4.6%!5%くらいにはなるかなと思っていましたが、5%を下回りましたね。家庭用の体脂肪計なので誤差の範囲です。

その後、むくみがひどくなるに連れて、体重は増えます。そして、むくみの解消と共に、体重は減少し始めます。この間、食事の量はさほど変わりません。もちろん普段よりはたくさん食べています。(1.5倍くらい?)

体脂肪量も順調に増えています。もっとも、急激に増やせるものではないので、実は6kg手前で足踏みをしています。(昨日は62.2kgで8.7%だったので、体脂肪量は少し減っています。)まあ、1ヶ月もしないうちに戻るでしょうからあまり気にしていません。

しかし、ゴール直後の5日間くらいは、明らかに免疫機能が低下している気がしましたし、自律神経も変調をきたしており、急な発熱や逆に悪寒を感じたりと、会社で仕事をしていても大変でした。もっとも、5日くらいで収まります。むくみが引くタイミングと同じなのが不思議ですね。身体の中で、何か変化が起きているのですね。

どれだけの運動したら、自分の身体にどれだけダメージを受けて、どういう変化が起こるのかを記録しておくことは意味のあることだと思います。次に何かダメージを受けるようなことをしたときにも、冷静に判断・対応することが出来ますし、ダメージ具合をある程度客観的に判断することも出来ます。まあ、人にとってはあまり参考にならないので、あくまでも自分のための備忘録です。
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by makani_tomo | 2008-08-29 10:31 | TJAR

TJAR2008(シューズの使用前・使用後)

装備のところでもご紹介しましたが、今回のTJAR2008では、シューズはVASQUEのBlurを使いました。前半は26.0cmで後半は26.5cmです。

Blurは、昨年からXCRタイプを使っていました。最初に使ったのは、昨年9月の新穂高~双六~西鎌尾根~槍ヶ岳~上高地という、西鎌尾根復習の時でした。これが、なかなか具合が良かったものですから、その後の南アルプス試走や今年5月のみんなでTTRの時もBlur XCRでした。

実は、VASQUEでは、以前からマーキュリーを使っていたのですが、なぜかマーキュリーだと足にマメが出来易いのです。同じラストを使っているのに、不思議です。

今年の選考会AまではXCRだったのですが、長い行程の中で塗れた後の乾きを考えると、XCRではない普通のBlurの方が良いだろうと思い、あわてて購入。選考会Bから使い始めました。そして、今回もBlurで富山湾をスタート。市野瀬に到着した時には、こんな風になっていました。

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左側は、新品のBlur XCRのソールです。色は違いますが、基本的には同じソールです。右側のBlurは、立山~上高地と富山湾~剱岳~立山~上高地~木曽駒高原~駒ヶ根~市野瀬という区間、延べ100時間程使ったものです。ソールが見事にすり減っていますね。練習には使えますが、レースでは使えないですね。それに、ウェットな路面では滑りそうですね。

現役は引退ですね。いやいや、ご苦労様でした。
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by makani_tomo | 2008-08-28 18:37 | TJAR

TJAR2008 記録と記憶と名誉

<記録>
TJARは、いちおうレースですから、順位が付き、タイムが記録として残されることになります。7日間17時間25分。想定していた時間より35分早いこの記録に、僕は満足しています。もっとも、18時にゴールと確かに想定していましたが、そんなことは頭からすっかり消えて、8日目にはひたすら太平洋に到達することだけを考えていました。

<記憶>
この7日間17時間25分の間の記憶は、僕にとってとても大切なものです。もっと言えば、前回大会の報告会に出て、TJARへの出場を決意した時からの記憶が、1本の紐のようにつながっており、ゴールの瞬間から約2年前まで、ズルズルと記憶をたどることが出来ます。

しかし、記憶は徐々に薄れてゆくし、記憶違いも起してしまうので、出来事の直後に記したこのブログの記録は自分にとって貴重な補助でもあります。今回の行程記も、他人が読むには無駄に長いのですが、自分のその時点の記憶を少しでもとどめておきたいという思いから、量を気にせず書き記しています。もし、次回大会に挑戦しようとする時、再び僕は今回の記録を読み直すに違いありません。

<名誉>
TJARでは、記録は残っても、表彰状もメダルもありません。過去には完走Tシャツというのがあったそうですが、デザインの関係なのか、誰も着ていないという幻のTシャツ。(うわさによると、TNF製のTシャツだそうで、完走者の名前がプリントされていたとか...)

参加者は、表彰状もメダルも欲しいとは思っていないはずです。自分の中に残る記憶が、最大の宝物だし、皆からの応援や祝福が最大の名誉でしょう。僕にとっても、完走で来たこと、いい旅の仲間に出会えたことが、自分にとって最も誇らしいことです。

しかし、応援してくれた仲間から、こういうものをいただけると、実はとても嬉しいのです。

ヨヨレンジャー・ピンズバッチ
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所属している代々木ランニングクラブの会長であるマハロ菊池さんお手製の、ヨヨレンジャー・ピンズバッチです。漆黒の暗闇の中に照らし出される山道と、無数の山々をイメージしたそうです。同じクラブに所属している鈴木選手、伊藤選手と共に、このバッチをいただきました。ものすごく嬉しいです。ありがとうございました。

そして、もうひとつの名誉が、ゼッケンです。僕のゼッケン番号は20。TJARが続く限り、この番号は僕の番号なのだそうです。このゼッケンを付けて、また参戦したいものです。ゼッケンに負けないように、精進しないと...

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by makani_tomo | 2008-08-27 10:21 | TJAR

TJAR2008(怪我・故障編)

TJAR2008に参加して、参戦中とその後の身体的な変化について、気付いた点を記しておこうと思います。もはや完全に自分のための備忘録なので、興味がない方は読み飛ばしてください。

<本戦前>
本戦前、決して万全の調子で臨めたわけではありませんでした。選考会Bで、終盤左足首(脛の下部)を痛め、その影響は直前まで続き、ほとんど走ることが出来ていなかったのです。ちなみに、選考会B以降本戦までの3週間の間、ランニングは全くしておらず、普段の階段トレーニングをゆっくり登り程度で数回行ったのみでした。

直前の木曜日に関根先生にマッサージをお願いしたところ、この左シンスプリントに気付かれて、蜂窩織炎(ほうかしきえん)の可能性もあるとのこと。あわてて、整形外科に行きました。(結果は、問題なし。)

そんな状態でスタートラインに立ったわけで、実は一番の不安は、馬場島までの30kmを走ることが出来るか?ということだったのです。

その他の体調は悪くありませんでした。選考会Bの時は、高速バスで変な体勢で寝ていて、背筋を痛めたのですが、今回の高速バスでは、気を付けていました。

スタート前は、身体を休めるために魚津のビジネスホテルで、シャワーを浴びて、ビールを飲んで、ベッドで寝ていました。グッスリ眠ることは出来ませんでしたが、身体を休めることは出来たと思います。

<基本のケア>
僕のレース時の基本の予備的ケアは以下の通り。
・キネシオテープ(脛1本,ふくらはぎ1本,大腿四頭筋1本,膝回り1巻)
・バンドエイド(足親指爪,足親指左右脇,足人差指の先,足小指)
・スキンガード(両足かかと,右足小指下)

<本戦中>
心配していた左シンスプリントは、最後まで問題ありませんでした。あれほど痛かったのに、そして本戦でも相当な負荷を掛けたはずなのに、なぜでしょう?よくわかりませんが、やはり選考会Bで使った某メーカーのコンプレッション型のソックスが原因ではないかと思っています。(既に、そのソックスは処分しました)

~膝及び大腿四頭筋~
最初に違和感が出たのが、左の膝、お皿の外側付近です。比較的表面上の痛みなので、最初は違和感程度から始まりました。たぶん、雄山から下るあたりで既に感じ始めたように思います。膝は、僕のウィークポイントなので、長い行程の中でいずれは出るだろうと思っていました。しかし、1日目で既に出るとは、正直言って先が思いやられました。

とりあえず、五色ヶ原山荘で痛む箇所に簡易鍼を貼り、キネシオテープで軽めの補強をして先に進みました。その後、鎮痛剤を飲み、気にしながら進みましたので、何とか平気で、3日目のロードでも歩く分には問題ありませんでした。(つまり、走ることはほとんど出来ないということでもあります。)

4日目の檜尾岳への登りでは、表面的ではない痛みに襲われ、リタイアという文字が頭に浮かびます。簡易鍼を追加し、キネシオの上に固定テープを貼り、補強度合いを高めました。この皿の奥のズキーンという痛みは、かなり強烈で、膝がある角度になった状態で、ある一定以上の荷重が掛かると来ます。木曽殿越への下りは、かなり難儀しました。

幸いなことに、登りへの影響は比較的軽微でした。お陰で、なんとか完走できたわけです。

この左膝の痛み、駒ヶ根の街に下りたら、かなり軽減していました。階段もそれなりにスムーズに降りることが出来ました。不思議なものですが、膝の使い方が違うということなのでしょう。

南アルプスへも左膝をだましながら登りました。しかし、仙塩のダラダラしたアップダウンは、相当負荷を掛けていたと思いますし、それをかばっていた右足を、確実に痛めていたのです。

6日目の夜、赤石岳のピークを過ぎてすぐ、右足大腿四頭筋がズキッと悲鳴を上げ始めました。「ここまで左をカバーしてきたけど、そろそろ限界です。」と言われているようでした。そして、岩場の下りで左右共に足に力が入らず、転倒。左足脛や左腕肘などに擦過傷。まあ、これくらいで済んで、よかったと言うべきでしょう。何といっても2900m以上ある岩場で、夜間の転倒ですから。この傷は、夜バンドエイドを貼っておきました。

右足大腿四頭筋は、シェルターの中で、ご飯も食べずにマッサージです。「明日は動きますように、明日は動きますように...」と唱えながら。翌日、やはり右足は痛むので、兎岳の手前で簡易鍼&キネシオテープです。これで少しマシになりました。

最後8日目に痛みが出たのが、左の大腿四頭筋です。これは、ゴール後1週間以上経った今でも、少し痛みが残っています。右足大腿を痛めて、それを左でかばい、左の大腿筋も...ということでしょう。特に富士見峠あたりからのロードの急な下りで痛みが顕在化してきました。

総合的に見て、それなりに鍛えてきたつもりであっても、まだまだ膝及び膝まわりの筋肉が弱いということでしょう。今後も、最重要の強化ポイントになります。

~足裏・かかと~
TJARでは多くの人が、足裏のトラブルに悩まされるようです。僕もその話は聞いていましたし、昨年のひとり選考会Bでは、雨の中濡れたソックスで動き続けて、太郎平あたりで既に大きなマメを作ってしまい、後の行程でずいぶん苦労しました。

そういうこともありましたので、足裏は常にケアしていました。基本的には、濡れたソックスは交換する。早すぎてもダメで、シューズが乾き始めたくらいのタイミングで替えるのがベストかと思います。脱いだソックスは、カッコ悪いですが、ザックに取り付けたキャップホルダー(帽子が飛ばないように服に留める紐)を利用して干しました。

休憩や食事の時には、なるべくシューズを脱いで、足を冷す、ソックスやシューズの中を乾かすことを心掛けました。夜寝るときは、乾いた靴下に履き替えて、足先を冷さないように心掛けました。そして、むくみを少しでも防ぐために、ザックの上に足を置いて、少し高くして寝ました。

とはいえ、長いロードは足裏を容赦なく痛めつけてくれます。3日目のロードでは、足裏が熱くなり、スーパーでもらってきた冷凍食品を持って帰る時に使う氷を利用して、道端で足裏のアイシングをしていました。

木曽駒高原スキー場に到着し、これはこの後に響きそうだなと思い、少し早いかと思いましたが、スキンガードを足裏かかとに、ベッタリと貼りました。これは皮膚にも馴染むので、足裏に貼ってもあまり違和感はありません。この早めの処置のお陰で、足裏は7日目まではほぼトラブルなしでした。6日目終了時点で、スキンガードでガードし切れなかったかかとの脇にマメが出来始めましたが、早めに処置をしたので、問題はありませんでした。

しかし、8日目になると話は別です。長いロードで足裏を酷使し、かつ足裏をアイシングする暇もなく前進を続けたので、右足かかとに大きなマメが出来てしまいました。しかし、これはゴールして初めてわかったことで、それまではなんだか痛いけどっていう程度の認識で歩いていました。

長い時間活動すると、ある程度の影響は仕方ありませんが、今回は7日目までいい状態を保つことが出来たと思います。8日目は、気にせずガンガン行きましたので、仕方ないです。スキンガードを早めに使うことで、かなり効果があることがわかりました。

~むくみについて~
足のむくみは、少なくとも前半戦では感じませんでした。市野瀬で0.5cm大きなシューズに替えた時点でも、まだ少し余裕があるなという感じでした。足のむくみを感じたのは、やはり7~8日目のロードです。やはり、0.5cm大き目のシューズを用意しておいて正解でした。

鈴木選手の様に、後半はロード用のシューズを...と少し考えましたが、塩見や荒川、赤石を考えると、無難にトレイル用のシューズを選択しました。

足だけでなく、手もむくみます。これも、8日目に顕著でした。手がパンパンに腫れて、指紋が伸びるようです。手を握る時の感覚が変なのです。力いっぱい握ると、手が破裂しそうな感じでした。

顔のむくみは実は自覚症状はありませんでした。鈴木選手に、むくんでいますね~って言ったら、君もむくんでいるよ~って言われて気付きました。スタートしてから、鏡を見ることがなかったので、自分がどういう顔をしているか気付かなかったのです。立山であった人に7日目茶臼小屋手前で再び出会い、「顔つきが変わりましたね」と言われて、精悍になった?と思った僕がバカでした。単にむくんでいただけです。この顔のむくみは、主に寝不足から来るのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか。

<ゴール後>
膝の痛みはそれなりなのですが、急に足裏のマメの痛みが顕在化してきました。不思議なもので、ゴールするまで待っていてくれたかのようです。夜、処置をしましたが、足のむくみと共にすぐに水がたまるので、痛みは続きます。結局、むくみが引いてくる木曜日(ゴール後4日)くらいまでは、痛みは続きました。マメの痛みをかばって歩くので、足の変な筋肉が痛くなります。2次災害的なものですね。

ゴール後最大の変化は、やはり足のむくみです。これは、ゴールしてから、ドンドンむくみがひどくなるのです。過去にもこういうむくみは経験しているので、特にあわてることはありませんが、さすがに今回は過去最大級にむくみました。

ゴール翌日の左足
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ゴール後8日後の左足
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21日に関根先生にマッサージしてもらって、その日の夕方頃からむくみが引き始めました。まあ、こればかりはある程度仕方ないですね。26日時点でもまだ、足には赤みが残っています。

胃腸の調子は、レース中もその後も問題なしです。これは非常にありがたいことで、レース後63.4kg-4.6%にまで落ち込んだ体脂肪率は、60.7kg-9.0%にまで回復してきています。食欲のままに、かなりシッカリ食べています。

ゴール後、5日間くらいは強烈な眠気がありました。それと共に、自律神経が変調をきたしていたようで、急に暑くなって汗をかいたり、逆に寒気がしたり。これも、ゴール後4日くらいで収まりました。

さすがに、8日近く運動を続けると、身体の様々なところに故障や変調をきたすようです。これは、ある程度仕方がないことでしょう。そもそも、出場以前からTJARは痛みと如何に共存して進むかの勝負になると思っていました。そして、その通りになりました。そういう意味では、心構えは出来ていたのだと思います。

しかし、7日以内でゴールした人のように、最後のロードでも少しは走りたいものです。2年後に挑戦するならば、最後のロード区間で少しでもいいから走ることを目標にしようかな。7日間、膝などを致命的に痛めず、畑薙に下りてきて、最後は静岡市内を走ってゴールに向かいたいものです。これは、欲張りな希望でしょうかね。
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by makani_tomo | 2008-08-26 10:40 | TJAR

TJAR2008(食事・食料編)

長い行程ですから、食事は重要です。最重要と言っても過言ではないかもしれません。そして、食事の内容は持参する食糧や行動計画とも密接に関連しています。つまり、山小屋での食事を当てにしようにも、山小屋が空いている時間でないとどうしようもないわけです。早すぎても、遅すぎてもダメ。さらに、カップラーメンではないちゃんとした食事を食べようとするならば、その時間的制限はかなり厳しいものになるわけです。多くの選手は、行動計画を立てるときに、「○時ごろ小屋を通過できそうだから、ここでは食事をしよう」などと目論んでいるはずです。長い行程で、小屋での食事や飲み物は、「目の前の人参」です。それを楽しみに、頑張ろうという気持ちを維持しているといっても過言ではないと思います。(もちろん、個人差はあります。)

<1日の食事パターン>
早朝:アルファ米(1/2)(約185kcal)
朝:小屋食
昼:小屋食
夕:小屋食
夜:アルファ米(1/2)(約185kcal)
行動食:カロリーメイト4本(400kcak)
     チョコバー1本(約350kcal)


今回の僕の1日の食事のパターンと量は、上記のようなものです。ただし、1日に3回小屋食が食べられる保証はありません。最大3回であって、最悪ゼロという可能性もあります。

トータルの量は、おそらく他の選手に較べて少ないと思います。例えば、2日目は小屋食が2回カップヌードル(シーフードとカレー)、1回山菜うどんでしたから、摂取した総熱量は、2,400kcalくらいでしょうか。これにコーラの熱量(4本,1L)を加えても2,850kcalです。実際には、パワージェルとか塩飴など補助食を2~3個食べているのですが、トータル3,000kcalといったところでしょうか。冷静に考えて、これは運動量に対して少ないです。

僕自身は普段多く食べる方ではありません。今回も、本戦前には割合シッカリ食べていた方ですが、体脂肪率は62.5kg12.5%くらいですから、決して多く備蓄できているとも思えません。

しかし、上記のパターンでなんとか行動できました。もっとも、食事の量や内容は個人差が多いです。カップヌードル2個食べる選手もいますし、ご飯物にこだわる選手もいます。行動食も、それぞれこだわりや工夫があって、このあたり比較すると面白いと思います。

今回、行動食はカロリーメイトとチョコバーです。カロリーメイトは、単位重量あたりの熱量が5kcal/gで、なかなか高いのです。一方で、例えばパワージェルはコンパクトで体内へのエネルギー吸収は早いのですが、単位重量あたりの熱量は約3kcal/gと効率は悪いのです。飲みやすく水分を含んでいる分、効率は悪くなるのでしょう。水分は、それでなくても背中に背負っているわけですから、行動食には乾燥していて単位重量あたりの熱量の値が高いものが適しています。そういう意味で、カロリーメイトの5kcal/gという値は、食糧選択時の目安となる値です。

直前の数ヶ月、スーパーに行ってもドラッグストアに行っても、単位重量あたりの熱量の高い食べ物を探していました。そしてなかなか貴重なのが輸入食料品のお店です。輸入物の甘い甘いチョコバーなどがたくさんあるからです。今回持っていったチョコバーは、キャドバリーのフルーツ&ナッツ(50g)がメインです。同じものだけだと飽きるので、多少バリエーションをつけましたが。

<実際の食事の様子>
1日2,500kcalで8日近くの行程が持つわけはありません。例えば、スタート前日はこれくらい食べて、胃を満足させて起きます。

<0日目>
朝:コンビニのサンドイッチ(2パック)
昼:ロースカツ定食(さぼてん)
夜:石焼ビビンバ
スタート前:おにぎり1個


また、1日目はスタート前に購入した食糧を持っての行動ですから、かなり重いです。しかも、早月尾根の登りですから、行程中1番の難所だったかもしれません。

<1日目>
早朝:コンビニのサンドイッチ(2パック)
朝:山菜うどん(剣山荘)
昼:カップヌードル(一ノ越山荘)
夜:コンビニのおにぎり2個
行動食:カロリーメイト4本,チョコバー1本,パワージェル


<2日目>
早朝:アルファ米(1/2)
朝:カップヌードル(太郎平小屋)
昼:山菜うどん(黒部五郎小舎)
夕:カップヌードル(槍ヶ岳山荘)
夜:アルファ米(1/2)


2日目が典型的な食事パターンです。総摂取熱量が少ないので、翌日に取り戻します。

<3日目>
早朝:アルファ米(1/2)
朝:ざる蕎麦(野麦峠スキー場手前)
昼:アルファ米(1/2),ミニトマト(1パック),最中アイス
夕:ナポリタン,サラダ(木曽コンビニ)
夜:おにぎり2個(コンビニ)
行動食:サラミソーセージ,カッパえびせん,カロリーメイト


ロード区間の移動日なので、途中のコンビニやスーパーを最大限利用します。しかし、予定した食事は背中に背負っているわけで、これを予定通り減らしていかないと、荷物が一向に軽くならないのです。逆に言うと、途中のコンビニは24時間オープンなので、確実に当てに出来ますので、そこでの補給を織り込んで、持参食糧を見積もる必要があります。また、足りない場合は、ここで調達する必要があります。

<4日目>
早朝:コンビニのサンドイッチ(2パック)
朝:アルファ米(1/2)
昼:アルファ米(1/2)
夕:ジューシーチキンLセット,サラダ,コーヒー(駒ヶ根マクドナルド)
行動食:アーモンド,パワージェル


4日目は中央アルプス越えです。越えて駒ヶ根の街に行けば、様々な店があり、日中通過できればかなり自由に補給が可能です。多くの選手は、「すき屋」に行ったようですが、僕は毎日アルファ米を食べていたので、マクドナルドにしました。途中買い物をしたスーパー(ベルシャイン)の隣にあったので、楽だったというのもありますが。

マクドナルドでの総摂取熱量は、なんと1,239kcalです。無料でLセットにできると言うので、躊躇なくオーダーしましたが、ポテトL(571kcal)は、かなり食べ応えありました。普段なら、レース前でも食べません。今回は、塩分補給の意味も込めて完食しました。生野菜は、不足しがちですので、カロリーには関係なく食べたくなりますね。

夜のアーモンドは、缶ビール(500ml)を飲みながら、つまんでいたのです。これ、非常用の食糧として持っていったものです。この手のナッツ類は、重量あたりの熱量が高いので、非常食として重宝します。もうすぐ市野瀬で、後半用の食糧と入れ替えを行うため、非常食からおつまみに早代わりしたわけです。

<5日目>
朝:コンビニのサンドイッチ(2パック)
昼:カップヌードル(千丈小屋)
夕:アルファ米(1/2)
夜:アルファ米(1/2)
行動食:カロリーメイト4本,チョコバー1本


<6日目>
朝:カップラーメン(塩見小屋)
昼:アルファ米(1/2)
夕:カレー大盛(荒川小屋)
夜:アルファ米(1/2)
行動食:行動食:カロリーメイト4本,チョコバー1本


<7日目>
早朝:アフルァ米(1/2)
朝:カップヌードル(1.5個),ご飯,味噌汁,お惣菜,お漬物(聖平小屋)
昼:ご飯,お惣菜,味噌汁(茶臼小屋)
夜:リンゴ,アルファ米(1/2)
行動食:カロリーメイト4本,パワーバー1本,サラミソーセージ


<8日目>
早朝:アルファ米(1/2)
朝:アルファ米(1/2)
昼:ざる蕎麦大盛,おにぎり2個(平瀬の蕎麦屋)
行動食:カロリーメイト4本,パワージェル2個,黒糖くるみ


食べても、そのままエネルギーに直結するわけではないのですが、僕の場合普段の食事量と行動量から推測すると、摂取した食事をエネルギーに変える効率が比較的良いのではないかと思っています。ですので、上記のような食事で活動できています。普通の成人男性の場合、もっと食べないと動けないかもしれません。

上記のような行動を可能にした持参食糧は以下の通り。

<前半の食糧リスト>
アルファ米3個(354g)→消費
カロリーメイト12本(252g)→消費
チョコバー3本(165g)→消費
パワージェル2個(88g)→消費
グリコーゲンリキッド2本(114g)→消費
アーモンド1袋(130g)→少し消費
キャラメル1箱(64g)→少し消費
サラミソーセージ3本(44g)→消費
塩飴4個(15g)→消費
干梅1袋(30g)→半分消費

合計重量1,256g

<後半の食糧リスト>
アルファ米4個(472g)→消費
カロリーメイト16本(336g)→消費
チョコバー3本(165g)→2本消費
パワーバー1本(62g)→消費
パワージェル2個(88g)→消費
カーボショッツ2個(94g)→消費せず
アーモンド1袋(110g)前半の残り→消費せず
キャラメル1箱(64g)→消費せず
サラミソーセージ3本(44g)→消費
干梅1袋(30g)→消費せず
黒糖くるみ(55g)→消費

合計重量1,520g


結果として、食糧計画はまずまず成功だったと思います。行動が、当初の計画に近いペースで動けていたので、小屋食も(内容はどうであれ)予定通り取ることができ、それ以外は予定通り持参食糧を消費したために、全後半共に、予備的な食糧(アーモンドやキャラメルなど)をのぞいて、ほぼ空になりました。

こう書くと、天候悪化や怪我で動けなくなった場合の余裕がないと思われるかもしれませんが、アーモンド1袋とキャラメル1箱あれば、とりあえず1日くらいは大丈夫でしょう。それと、全後半共に、ロード区間に出てから、リスクを見極めながら、背負っている食糧を軽くすべく持参食糧の消費を進めています。

また、山小屋での食事が全く取れなかった場合は、当然予定より早く持参食糧の消費が進んだことでしょう。その場合は、3日目の木曽のコンビニ等で、食糧を買い増すことを計画していました。幸い、それはせずに済んだのですが、カロリーメイトであればコンビにでも手に入りますので、安心です。4日目も山を越せば駒ヶ根の街ですから、安心です。

問題は南アルプスです。抜けるまでに最短でも2日半は掛かりますから、4日分の食糧は必須でした。従って、前半に較べて重くなってしまいました。畑薙まで抜ければ、途中井川などでも補給できますから、積極的に持参食糧を消費すればよいわけです。

最後にガスについて。今回僕は、ガスもメタもエスビットも持っていません。つまり、小屋以外で温かい食事はあきらめたということです。幸い、水で戻したアルファ米も口に合いますし、少しでも荷物は軽くしたいし、疲れて寝る前にお湯を沸かすのも面倒な気がしたのです。(水で戻したアルファ米が口に合わないという人も少なくないようです。このあたりは好みですね。)しかし、南アルプスに入ってからの最後の2日。熊の平と百閒洞で目を覚ました時、温かい食事かコーヒーでも飲めば、身体がシャッキリするだろうに...と思ったことを告白します。2年後、ガスを持っていくかと聞かれたら、現時点ではNOです。エスビットくらいコンパクトで、もう少し火力があれば、考慮するかもしれません。

長々と書きましたが、食事に関しては個人差も大きいので、あまり参考にはならないかもしれません。しかし、行動計画を立てて、その計画に沿って食事の計画を立て、その上で持参食糧を見極める。そして、行動予定がずれた時(小屋食が取れないとき)のバッファーも考慮しておく。このあたりは共通の考え方ではないでしょうか。あとは、どのくらい食べたいかを考慮して、重量と相談の上、食糧計画を組み立てていけばOKです。

つたない文章ですが、より具体的に記したつもりです。次回以降参加される方の参考になれば幸いです。
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by makani_tomo | 2008-08-25 11:46 | TJAR



走って、飲んで、そして読んでおります。
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