『サバイバル! 人はズルなしで生きられるのか』
服部 文祥
ちくま新書
798円(税込)
前著『サバイバル登山家』で有名になった服部文祥さんの最新作です。TJARが岩瀬流の山行だとすれば、サバイバル登山は、服部流ということでしょう。本書にも彼の定義によるサバイバル山行の詳しい様子が描かれています。
ちょっといいなと思うところもあるのですが、釣りがそこそこ上手くないと食糧調達に苦労しそうだし、蛇や蛙を捕まえて皮をはぐのも...やはり、無理ですね。しかし、川筋をたどって遡行してみるのは楽しそうです。もちろん、これについても知識や経験が必要なのですが、食糧調達よりはマシかもしれません。
山行スタイルも面白いのですが、彼の人間くささも魅力です。避難小屋にいるところを登山者に見つかって「ダメじゃないですか~。」なんて、言われてしまうあたりなど、ちょっと遭遇してみたい気がします。知り合いに会って、いきなり「食べ物下さい。」なんて言うところも。
そして、僕は彼の文章が好きです。文体というべきでしょうか。一度どこかの山の中で、お会いしたいものです。そのためには、僕もなるべく登山道から外れる必要があるのですが...