『春、バーニーズで』
吉田修一
文春文庫
520円(税込み)
数年前に芥川賞を受賞した『パーク・ライフ』を読んで以来、時々読む作家です。文体というか、ほどほど軽い雰囲気が比較的好きなのです。
この作品は、家族でバーニーズに行ったら、昔の恋人を見かけて...という、ありがちな設定。そこから、短編が続きます。
話は変わりますが、昔から片岡義男さんの作品が好きでした。主に角川文庫で出ていた、背表紙が赤い本です。当時、高校生くらいでしたが、想像も付かないくらいクールで都会的な世界にあこがれたものです。
本書の雰囲気は、ほどほどクールで、ほどほど都会的。きっと、片岡義男の世界よりは、こちらの方が現実なんだろうなって思います。片岡作品との共通点は、写真の使い方でしょうか。著者の手による写真ではありませんが、いい雰囲気を醸し出しています。
やはり、今週末は、カメラ片手に走ってみようかな。