『海国記』上・下
服部真澄
新潮文庫
上巻700円(税込み)
下巻660円(税込み)
こちらは文庫になるまで待っていました。単行本は、『海国記 平家の時代』という副題付だったようです。
舞台は平安から鎌倉時代。テーマは、海の道。海の道は、西国から様々な荷を都に運ぶ道。そして、宋からの財を都に運ぶ道。この道を制するものが、財を手にし、朝廷での出世の糧にしたという。そんな海の道を巡る人々の物語です。
平清盛や源平合戦などをテーマにした小説はたくさんありますが、同じ出来事も視点を変えるとまた違った物語が見えてきます。そういう意味で、海の道という切り口は、実に面白く感じました。
本書には巻末に主な登場人物の系図や地図などが掲載されていますが、できればもう少し詳しい資料を片手に読むと、より面白く読めるかもしれません。