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『ゴッホの復活』 小林英樹

『ゴッホの復活』 
小林英樹
情報センター出版局
1700円+税

『ゴッホの遺言』,『ゴッホの証明』に続くゴッホ関連の3作目です。本書で取り上げているのは、ゴッホの作品の中でももっとも有名な「ひまわり」シリーズです。

ゴッホの「ひまわり」と言えば、バブル時代の1989年に安田海上火災が当時のレートで約58億円で購入した『ひまわり』(通称「東京のひまわり」)が有名ですが、それよりに70年近く前の1920年に日本にやってきた「ひまわり」(通称「芦屋のひまわり」)について、知っている人は少ないかもしれません。なぜなら、1945年に戦災で焼失してしまったからです。

本書は、その「芦屋のひまわり」と「東京のひまわり」について、贋作であるということを、主に造形的視点から主張するものです。加えて、やはりゴッホの代表作である「ジヌー夫人」について、オルセー所蔵の作品を贋作ではないかと主張しています。

僕にとってゴッホは好きな画家の一人なので、比較的たくさんの作品を直接見ています。これまで、アムステルダムのゴッホ美術館は2回、クレーラー・ミュラーは1回、パリのオルセーは数え切れないくらい、ニューヨークのメトロポリタンも数回訪れています。必ずしもゴッホの作品が全て展示されていたわけではありませんが、あればかなり時間をかけて鑑賞しました。日本にゴッホの作品が来た時には、ほぼ100%観に行っています。しかし、「東京のひまわり」は観たことがないのです。もちろん、「芦屋のひまわり」も。

大学に通っている頃には、ゴッホ終焉の地であるオーヴィールにも行ってみました。自殺したとされる麦畑にも行きました。ゴッホが、そこで何を感じていたのかを、感じたかったからです。

正直言って、贋作ではないかという視点でゴッホの作品を観たことはありませんでした。もちろん、贋作疑惑があることは読み聞きして知っていました。しかし、いざ作品の前に立つと、素直に作品を観ていたというのが現実です。

しかし、この著者による3部作は、あまり話題にはなっていませんが、業界では物議をかもし出したのではないかと思われます。(本書には、「東京のひまわり」の最近の写真は掲載されていません。)こうなると、「東京のひまわり」を観たくなりました。新宿なので、近いうちに時間を作って観に行ってみたいと思っています。
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by makani_tomo | 2007-10-05 01:49 | 読む
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