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南アルプス縦走(3日目)

相変わらず風がビュービュー吹いています。ツェルトではなくシェルターにして良かったと、思いましたよ。ツェルトも上手く張れば大差ないのかもしれませんが、こういう風にはやはりシェルターの方が強いのではないでしょうか。

それにしても、寒くておちおち寝ていられません。3日目は2時にスタートする予定で、準備を始めました。雨模様なので、最初からレインパンツを履きます。下にはCW-Xのロングタイツではなく、寝るときに履いていたSKINS。疲労が溜まった足を、上手くサポートしてくれるでしょうか。

02:02 百間洞山の家スタート
山の家の水道で水を詰め、沢沿いに進んでいきます。意外と幅が狭く、濡れた草で何度か沢側に足を踏み外してしまいます。明るいとこういうこともないのでしょうね。

登るに従い沢の音が遠ざかっていきます。そして、中盛丸山に出ると強風が身体を揺らし、雨が眼鏡を曇らせます。こういう時眼鏡は不便です。やはりワンデーのコンタクトを買わねばと決意しました。

小兎過ぎて下ると風がやや弱まり、ほっとひと息。でも、また登ると風に煽られます。やっとの思いで兎岳に取り付いたものの、登るに従い風が強まり荷物が振られます。耐風姿勢を取るものの、この状況(雨+強風+ガス+夜)で登り続けるのは危険と判断し、一旦下りて風が収まるのを待つことにしました。

風は相変わらずなのですが、明るくなってきたので、再びトライ。いや、そろそろ進んでおかないと帰りのバスに間に合わなくなりそうなのです。早くに出たのに、結局ギリギリになってしまいました。しかし、明るくなっているので、慎重に登れば危険度合いもずいぶん軽減されている気がします。

05:48 兎岳
ほぼ予定の時間です。

南アルプス縦走(3日目)_f0015348_1841437.jpg


しかし、ここからが更に困難でした。聖岳への登りでは、更なる強風に難渋しました。崩壊したがけの下から風が吹き上げてきます。幸いなのは、逆の風ではないことです。がけに向かう方向の風であれば、登ることをやめていたと思います。やはり、アルプスはやさしくありません。

07:25 聖岳
予定より35分遅れての聖岳山頂です。

南アルプス縦走(3日目)_f0015348_18403944.jpg


不思議と、というか地形的にそういうものなのかもしれませんが、山頂は意外と風が弱く、ホッとひと息。しかし、遅れているので急いで聖平に向けて下ります。連休の中日と言うこともあり、かなりの人が登ってきます。コースタームの60%以下を目標にして先を急ぎます。この時点で、予定よりも35分遅れです。

08:32 聖平小屋
小屋に寄っている余裕はないので、そのまままっすぐ上河内岳を目指します。雨は降ったりやんだりです。ガスはなかなか晴れません。目指す頂きが見えると、気持ち的にはプラスになるのですけど、このあたりが精神的にも一番きつかったかもしれません。結局1時間半で登ろうと思っていたのですが、1時間45分掛かってしまいました。

10:18 上河内岳
この時点でビハインドは53分に広がってしまいました。かなりヤバイ状況です。一瞬気持ちが折れかけました。しかし、逡巡している暇もなく、行けるところまで行こうと、気合を入れ直しました。走ることが出来るところは、なるべく小走りにします。ここにきて、そうそうスピードを上げることができるものではありませんが、残る力を振り絞るように前進を続けます。

11:05 茶臼小屋
ああ、なんだか居心地の良さそうな小屋だなぁ...と横目に眺めつつ、ここもパスです。ビハインドは45分。ここからは、ほぼ下りです。捻挫でもしたら完全にアウトなので、慎重かつ急いで下ります。短縮率50%が欲しいところです。

12:05 横窪峠
高度を下げるに従い雨は上がってきたのですが、気温も上がってきました。横窪小屋脇の沢の音が実に涼しげでした。ビハインドは40分。徐々に詰めつつあります。何とかなりそうな気がしてきました。

ウソッコ沢が近付きました。途中、ふと木を見ると進路から左に抜ける方向に「畑薙」の矢印が、そちらに進むと、沢に出ます。思わずここで、手と顔を洗い、ひと息。ちょっと気を抜いてしまいました。あの矢印はトラップか?ほどなく進路に戻り、先を急ぎました。

12:59 ウソッコ沢小屋
またビハインドは45分に拡大してしまいました。焦って先を急ぎます。しかし、焦ると見えるはずの踏み跡も見えなくなります。進路にロープがあったので、何も考えずにがけを上に登ってしまいました。これは間違い。すぐに気付いて河原に降り、石をまたいでルートに復帰です。この後は、小さな吊橋や階段をたくさん越えます。

ヤレヤレ峠とは、長い道のりを下山してきた人がつけた名前でしょうか。本当にヤレヤレなのですが、まだまだ厳しい状況です。立ち止らずに大吊橋を目指します。

大吊橋は、本当に長いですね。調べてみたら182mもあるそうです。時間的な余裕がなかったので、写真も無しです。下を見ると、上流から流れてきた倒木がダム湖の表面を漂っています。

13:55 茶臼岳登山口
ビハインドは45分。ここから、ダム湖の周囲を走ります。かなり必死に走っているのですが、なかなかスピードが出ません。水は500mlのペットボトルを除いて捨てました。ザックの重量は7kgくらいのはずです。しかし、疲れた身体と足に7kgはその何倍にも感じられました。

しかし、TJARではこれ以上に疲労した状態で、静岡の海まで70km以上を走ることになるのです。そう思えば、これも鍛錬と頑張って走ります。でも、たぶんキロ7分も出ていないのだと思います。

ゲートを越え、ダムを渡り、崩落地を越え、走る走る.....でも、残念。駐車場を越えもう少しというところでタイムオーバー。バスの時間には間に合いませんでした。せめてあと5分あれば...

しかし、悔しいという気持ちはあまりなく、むしろホッとしたような、それでいて充実した気持ちで足を止めたのでした。
by makani_tomo | 2007-09-19 18:43 | TJAR
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by makani_tomo
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