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『半島を出よ』 村上龍

『半島を出よ』 上・下 
村上龍
幻冬舎文庫
上巻760円(税込み),下巻800円(税込み)

実は、村上龍さんの作品はあまり読んだことがありません。過去にベストセラーや話題になった本が数多くあるにもかかわらず、何となく手が出なかったのです。今回のこの分厚い文庫本2冊ですが、書店で平積みになっていたものを、何気なく手に取り、そのテーマ設定に興味を持ち購入したのでした。

国際関係、南北問題、わが国における格差問題など複雑なテーマを盛り込んでおり、これをどう料理するのか半信半疑な気持ちで読み始めました。状況設定には最初やや違和感を覚えたものの、読んでいるうちに、さもありなんという気がしてきます。少なくとも、現代にも既にそういう兆候は見られます。一方で、霞ヶ関の対応ぶりなどは、現在とあまり変わっておらず、このあたりは意図的にそうしたのか、それともあまり注力すべき点でないということでしょうか。

著者の他の作品をあまり読んでいないので、局所的にディテールを深く掘り下げる書き振りが、通常のものなのかどうかはわかりませんが、個人的にはやや冗長な気がしました。表現のディテールさも、場面によってはちょっと...というところもあります。しかし、複雑なテーマをある仮定の元に組み合わせ、ストーリーを構成しており、下巻に入ることにはすっかり引き込まれていました。

ちょっと、的外れな感想かもしれませんが、真っ暗な山道をひとりで歩くことも、何度か経験すれば少しは慣れるのと同じく、タフに交渉すること、危機に直面した時の対処など、やはり慣れや経験が必要なのは確かかもしれません。そういう世の中でありたくはないとは思うものの、せめて自分はいざというときに身体を動かせるようにしておきたいなと思うのでした。
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by makani_tomo | 2007-09-11 10:01 | 読む
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