走る!飲む!読む!

『サバイバル登山家』 服部文祥

『サバイバル登山家』 
服部文祥
みすず書房
2400円+税

著者の行っているサバイバル登山とは、必要最低限の食料と必要最低限のツールだけを持ち、山に入り、川で魚を釣り、山菜を摘みながら縦走を行う登山のスタイルです。道具類の中に、電気を使うものは皆無です。著者の定義なので、きっと一般的なものではないのだと思います。ちなみに、11日間の予定でもって行くものは、米5合、黒砂糖300g、お茶、塩、胡椒だけだそうです。

日が昇ったら行動を開始し、沢を上りながら岩魚などを捕まえ、場合によっては蛙や蛇なども食料にします。縦走しながら食料を調達し、午後にはその日の寝る場所を定め、料理をし、食べて寝る。シンプルにして、過酷な山行。

なぜ、サバイバル登山を行うのか。長いあとがきに、彼は自分の考えるところを素直に書いています。引用するには、長くなるので、ぜひ読んでみていただきたいのですが、著者の登山に対する考え方を読みながら、僕も自分自身なぜ山に登るのが好きなのかを、思い返していました。

根本的には、ある意味非常に哲学的な衝動に駆られてのサバイバル登山なのですが、その途中では、たまに出会う登山者と食料を交換したいな...などと考える、そんな素の部分もまた人間らしい気がします。

ちなみに、僕は山に登りだしてまだ日は浅いのですが、とにかく時間を忘れることができる空間であることに魅力を感じています。と同時に、道を失い、どちらに向かえばよいのかわからなくなり、東京都内で遭難?という文字が頭をグルグル回った経験から、自分が決めた地点から決めた地点へ、自分の足でちゃんと移動する、そういった基本的な行為に対する難しさと魅力を感じたのです。

サバイバル登山とはちょっと趣向が違いますが、トランス・ジャパン・アルプス・レース的な、シンプルであるがゆえに過酷な行為には、魅力を感じています。そういうことができる肉体的、精神的強さを身につけたい。知恵と経験を身につけたい。そう思いながら、非常階段をひたすら登っていたりするのです。
[PR]
by makani_tomo | 2006-08-19 20:32 | 読む
<< つらかった~ 『風の影』 カルロス・ルイス・... >>



走って、飲んで、そして読んでおります。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧