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関節痛とお薬 2

さて、「関節痛とお薬」の続編です。

以前は、サリチル酸メチルが鎮痛薬の主成分として用いられていたことは前回書きました。ここ10年くらいテレビCMなどでも良く耳にするようになっているのが、「インドメタシン」です。しばしば、第2世代とか呼ばれています。他にもフェルビナク、ケトプロフェンなどが、第2世代と呼ばれています。

インドメタシンも、サリチル酸メチルと同様非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)の一種で、1978年から解熱鎮痛薬として使われています。実は、結構古いのですね。

ちなみに、非ステロイド系に対しては、当然ステロイド系があります。ステロイドとは、副腎皮質で作られるホルモンで、このホルモンのうち糖質コルチコイドという成分を化学合成したものを一般的にステロイド剤と呼びます。ステロイド剤は、炎症を抑える点において非常に優れた効果を発揮します。しかし、その一方で長期間使用すると、本来人間の副腎皮質が持ってるステロイドを作り出す機能を怠けさせてしまいます。ですから、ステロイド剤の使用については、医師の指示のもと慎重に行うのが通例です。
一方の非ステロイド剤はステロイド剤に比べると炎症を抑える力は弱いのですが、その分市販薬にも使われ、素人が使い易いお薬です。しかし、それでも長期間の使用においては、胃や腎臓に副作用が起こることもあるそうです。

話を戻して、インドメタシン。このお薬は、炎症を引き起こすもとであるプロスタグランジンという物質の生合成を抑制するのです。

我々の身体の中では、日常的に細胞の中にある「アラキドン酸」という物質がCOX-1(善玉)という酵素と結びついて「プロスタグランジン」という物質を作っています。プロスタグランジンは血流を保つ働きを持ち、主に胃の粘膜や腎臓が正常に機能するために重要な役割をしています。

ところが身体のどこかに炎症が起きると、患部の組織では、細胞の中にCOX-2(悪玉)という酵素が現れアラキドン酸と結びつきます。COX-2を介してもプロスタグランジンが作られます。プロスタグランジンは、炎症が起きている場所では炎症を強めたり、痛みを増大させる作用も持っています。インドメタシンはこれらの酵素に働いて、アラキドン酸と結びつくことができないようにし、プロスタグランジンの生成を妨げるものです。

ただし、インドメタシンは悪玉COX-2だけでなく、善玉COX-1にも作用するため、患部の炎症や痛みは治まりますが、同時に胃や腎臓の組織では血流が減少してしまい、その結果、長期間の服用では胃の粘膜が荒れて胃潰瘍になったり、腎臓の機能が低下して体が浮腫んだりすることがあるのです。

では、どのあたりが第2世代なのかと言うと、第1世代は、知覚神経に作用して、痛みを抑えるのに対して、第2世代は痛みの元を抑えるのですね。だから、「効き目が強い」ということのようです。まあ、大昔から使われている薬に比べれば、そうなんでしょうね。ただ、効き目が強い分、副作用も強めであることは、頭に入れておかなくてはなりません。

ちなみに、痛みの元であるプロスタグランジンを抑える力は、アスピリン(アセチルサリチル酸)を1とすると、第2世代のフェルビナクは10、インドメタシンは20程も違いがあるそうです。もっとも、インドメタシンは元々皮膚から吸収しにくいものだそうで、それを研究により吸収し易く改良できたことで、湿布やゲル剤に使われるようになったようです。一方、最近はやりのフェルビナクは、インドメタシンよりも皮膚からの吸収性に優れているようです。(某フェルビナク製剤の広告には、インドメタシンの1.2倍の吸収性と書かれていました。)インドメタシンを主成分とする市販の消炎剤は、その多くが「1.0%配合」なのに対して、フェルビナクの方は「3.0%配合」です。インドメタシンの方が「強い薬」なので、配合率も抑えなくてはならないのでしょうか。

なお、第2世代のものは、ほとんど例の刺激臭が無いようです。第1世代でもサリチル酸グリコールは、無臭性です。しかし、あの特有の臭いが無いと、「効いた気がしない」というユーザーの感想も多いようで、多くの第2世代の鎮痛消炎剤にもl-メントールなどが加えられており、適度な臭いと清涼感を持たせているようです。

ちゃんと調べてみると、消炎剤も奥が深いですね。そして、使い方もよく注意しないといけないようです。(続く...)
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by makani_tomo | 2006-01-05 19:42 | 走る
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