『巨人たちの落日』 上・中・下
ケン・フォレット
ソフトバンク文庫
上・中 880円+税
下 860円+税
『大聖堂』で有名なケン・フォレットの新作です。今回も文庫本3冊で読み応え有ります。
時代は20世紀初頭。舞台はイギリス、ドイツ、ロシア、アメリカなど。そして、貧しい炭鉱夫や家政婦から外交官、軍人、伯爵まで登場し、激動の時代を切り取ります。ロイド・ジョージやチャーチル、レーニン、トロツキーなど実在の人物も登場し、主人公たちと交わります。ケン・フォレットならではの大河ドラマです。
『大聖堂』の時も感じたのですが、時代考証というか、その時代や国や地域の雰囲気、気運、世論といったものを非常に上手く描写します。第一次世界大戦直前のイギリスの状況、女性参政権に対する気運の盛り上がりなど、主人公たちの活躍と上手くからめて描いています。『大聖堂』も先日NHKのBSで放映されていましたが、こちらも映像向きですね。
この作品、著者自身が「The Century Trilogy」と名付けた作品群の第1作だそうです。(原題は「The Century Trilogy #1 Fall of Giants」です。)なんだか、スターウォーズの方になっていますが、楽しみなことには違いありません。
GWに何かしっかりしたものを読みたい方にはお勧めの一冊(三冊?)です。