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『大聖堂』 『大聖堂~果てしなき世界』 ケン・フォレット

『大聖堂』 上・中・下
ケン・フォレット 著
矢野 浩三郎 訳
ソフトバンク文庫
895円,890円,900円

『大聖堂~果てしなき世界』 上・中・下
ケン・フォレット 著
戸田 裕之 訳
ソフトバンク文庫
各998円

久しぶりの「読む」カテゴリーでのエントリーです。
冬は講義関連の本を読むことが多く、なかなか趣味の本を読む時間がないのですが、この『大聖堂』だけは、通勤電車の中などで読み進めていました。しかし、文庫とはいえ分厚い3部作。続編も同様に3部作なので、かなり時間が掛かりました。しかし、大部ではあるのですが、読み進めるごとに加速度的に物語に引き込まれていきますので、勢いが付いたら分厚さなどは気になりませんでした。

物語の舞台は中世のイギリス(イングランド)。ヨーロッパ各地に都市が出来始め、王侯貴族の力が次第に強くなり、教会とのパワーバランスが微妙になる時代。そして、都市住民の中から商人や職人などの専門職が生まれ、交易が次第に大きくなり、それが生み出す富をめぐって戦争が起こる。一方で、都市住民は王に税金を払うことで教会から独立した自由都市を目指す。様々な貴族から騎士、聖職者、職人、農民、無法者など様々なジャンルの人が交錯する時代、そして都市。そこを舞台にした、壮大な物語です。

一作目は、12世紀、続編は14世紀が舞台となっています。どちらも話の軸には大聖堂とそれを建てる職人がいます。そして、女性蔑視が当たり前の時代で力強く生きる女性が描かれています。この物語を一言で表現すると「読者を甘やかさない物語」と言えます。正義の人が単純に勝つことはありませんし、貧しい人がますます貧しくなることもあります。大きな意味では勧善懲悪的ではありますが、世の中はそれほど簡単なものではないと訴えているかの様です。しかし、そのような中でも信じる者を持って生きる人が、実に魅力的に描かれているのです。

また、この物語は時代考証に関しても非常に正確ではないかと思います。かなり時間を掛けて、当時の農民の暮らし、聖職者の行動や暮らし方、食べ物や衣類、習慣に至るまで非常に精緻に調べた上で描いている気がします。講義で中世のことを扱うことも多いのですが、ある意味非常に良い参考書になりそうです。

公共の図書館にも入っているともいますので、まずは一巻目を手に取ってみてはいかがでしょうか。これは、なかなかオススメです。
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by makani_tomo | 2010-03-24 18:22 | 読む
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