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リミッターの設定値

日曜日に久しぶりのレースに参加して、そしてゴール後に河辺の梅の湯に浸かりながら、ぼんやり考えていたことです。

選手のパフォーマンスを決定付ける要因には、いろいろなものがあるのだと思います。例えば、生まれ持った身体的特徴、日々のトレーニングによる能力の向上、精神面での強さ、天賦の勘などです。なかでも、日々のトレーニングや精神面での強さなどが大きく影響しているのではないかと思います。

温泉でぼんやりと考えていたのは、また違った要因です。それがリミッターの設定値という考え方です。通常、人間は自分の持てる潜在能力の60%とか70%しか使えていないと言われています。これは、人間が自己防衛本能として、能力全開にリミットを設けているのではないかと思うのです。車や工作機械などでも、似たような概念があると思います。

では、もしリミッターが、80%まで上げることができたらどうでしょう?90%ならすごいことになりそうです。いろいろなスポーツにおける(もしかすると、スポーツだけではないかもしれませんが)トップ選手というのは、日頃のトレーニングにより潜在能力自体を引き上げていることはもちろんのこと、さらにリミッターの設定値もかなり上目に設定できるのではないかと思うのです。

では、リミッターの設定値は、どの様にすれば上げることができるのでしょうか。僕が思うに、日頃のトレーニングの中で、「限界を知る」ということをしなくてはならないのではないかと思うのです。もう1歩も足が出ないくらいヘトヘトになるまで追い込むことで、自分の限界がわかります。限界がわかって初めて、リミッターの現時点での設定値を知ることが出来るわけです。つまり、多くの人は、限界を知らないわけで、その意味ではリミッターの設定値も実は認識できていないのでしょう。

しかし、「限界を知る」ということは、簡単なことではないと思うのです。限界まで自分を追い込むことは、すなわち自己防衛本能に反する行為ですから、多くの場合他人からの強制がないとなかなか出来ないのではないでしょうか。また、仮に自己で追い込めたとしたら、それはそれで危険な行為でもあります。そういう意味でも、きちんとしたコーチや指導者の下に行なわなくてはならないのではないでしょうか。

僕自身は、本当の「限界」かどうかは別として、「限界を知る」に近い行為をしたことがあります。ミウラ・ドルフィンズでの低酸素トレーニングを始めるにあたり、パフォーマンステストをした時です。

---以下、その時の記録---

通常の酸素状態において、トレッドミルで傾斜10%×5km/hからスタート。3分後とに1km/h速度を上げる。
9km/hくらいまでは、平気。
10km/hで、ちょっと疲れがみえる。
11km/hで、きつくなってくる。上腕がだるくなる。
11.5km/hになると、頭が下がり始める。
12km/hは精一杯。1分経過したところで、オールアウト。
心拍数は最大185くらい。SPO2は88くらいまで下がっていたようだ。

---以上---

SPO2(2は小さい数字)とは、動脈血酸素飽和度です。動脈血の中に、酸素がどの程度含まれているか(酸素飽和度)を示す値で、通常は98~99を示します。運動が激しくなり、酸素を取り込む量が減ったり、体内での酸素消費量が増えると、この値は下がります。また、低酸素状態に身を置くだけでも下がります。

このテストは、2007年の6月に行なったものですが、当時の僕の限界はこのあたりにあったわけです。このテストの結果を受けて、その後展酸素状態で心拍数が160くらいまで上がる強度のトレーニングを行いました。低酸素状態ですと、SPO2は簡単に90を下回ります。つまり、極めて簡単に限界に近づけることが出来るわけです。その後の低酸素トレーニングを続けて行く中で、心拍数175でSPO2が73というくらいまで追い込みながら、トレッドミルで高傾斜走を続けることが出来るようになりました。ただし、SPO2が70台前半というのは、危険な状態です。マンツーマンで指導者が付いていてはじめて出来るトレーニングです。

閑話休題。いろいろな方法で、トップ選手はみずからの限界を知り、その限界値に近いパフォーマンスを出し続け、その結果として更に限界値を上げる。という様なトレーニングを行っているのでしょう。もっとも、限界値は、そう大幅に上がるものではありませんから、いかにリミッターの設定値を上げるかが重要になるのではないでしょうか。そして、しばしばレースの終盤では、リミッターを自ら(あるいは自然に)解除し、まさに力を出し切ることが出来るのでしょう。

長々と書いてしまいましたが、要は自分は日曜日のレースで限界値を意識した走りはしていなかったなと思ったわけです。部分的にリミッターが発動された場面もありますが、総じてリミッター以下に抑えてしまっていたのではないかと。もっとも、トレイルのレースでは、余裕を残すくらいの方が正解ではないかと思っています。ゴール時点で力を出し切るのは、いいと思うのですが、途中で力尽きては意味がありませんし、余裕がなくなると、怪我もし易くなります。

とはいえ、もう少し上げても良かったのでは???と、思ってしまったわけです。温泉に浸かりながら、そんなこと考えていても、説得力ないよね...と言われれば、その通りなのですが。
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by makani_tomo | 2009-04-08 13:33 | 走る
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